ソーシャルグラフの次にくる「リンクメタデータ」とは?

マイネット

ソーシャルグラフのフィールドにおけるリンクの「濃さ」と「意味」のデータを指して「リンクメタデータ」と言います。
2012年から先のインターネットにおいて、この「リンクメタデータ」が存在感を増していくものと予想しています。

■SNSの歴史

SNS(ソーシャルネットワーク)の元祖は「Friendster」であるとされています。
グリーとミクシィが日本でスタートしたのが2004年2月のことです。
そして、検索サービスに勝るとも劣らないほどのサービスへとSNSが発展していきます。

「ソーシャルグラフ」がSNSの「核」です。
SNSの利用者が、自身の人間関係を自分からネット上に可視化していくことでソーシャルグラフは成り立ちます。そして、そこを様々なコンテンツが行き交うことで、サービス価値が発生します。例えば、ツイッターで作った友達とコミュニケーションを取ったり、友達のつぶやきを見て面白く感じたりすることが該当します。

このサービス価値は基本的にどんどん衰退していくものです。
リアルの人間関係は時間が進むにつれて変化しますが、ソーシャルグラフに関してはあまり変わらないからです。
「人間関係が変われば、ソーシャルグラフも変わる」という状態になるのがベストですが、「関係を断って、新たな人と繋ぐ」という行動はなかなか積極的にできるものではありません。

そこで、SNSの利用者は「別のSNSに変える」ことをチョイスします。
例えば、「Friendster→Orkut→MySpace→フェイスブック」というふうに。
だからこそ、「流行るSNS」もあれば、「廃れるSNS」もあるのです。
このことを「ソーシャルグラフのリフレッシュ問題」と言います。

■ソーシャルグラフのリフレッシュ問題

「エッジランク」というランク付けシステム(フレッシュさ、注目性、関連性等を考慮して採点)により、フェイスブックはニュースフィードにどのような記事を表示させるか決めています。

これにより、「自分と関係性の深い人物」の情報だけが残りやすくなり、関係性が薄い人とは自然と離れていくことになります。
そして、フェイスブックの利用者は「深く関係している人とだけ繋がることができるから、フェイスブックから離れる必要はない」という心理状態になっていくのです。

ただ、ニュースフィードがあっても「関係性が薄い人との繋がり」が消滅するわけではありません。
一例として、日本人の場合は「あけましておめでとうのメッセージだけは送りたい」という人がいると思いますが、フェイスブックであればそれもできます。
しかし、普段から「1年に1回しか繋がらない相手」を意識しておく必要はありません。

ニュースフィードのリフレッシュ能力のおかげで、グラフが徐々に成長していくが、「人間関係が変わっている」ことを実感しなくても良い。
フェイスブックのこの性質は、他のSNSにはあまり見られない特別なものであると言えるでしょう。

■リンクメタデータの蓄積

「f8(開発者イベント)」にて2011年9月、新規のオープングラフをフェイスブックは公開しました。これは、ソーシャルアプリケーションにおける利用者のアクションに「意味付け」をすることを可能にして、利用者のアクティビティフィードをより豊かなものにすることを目指していると述べられました。ですが、「リンクメタデータの蓄積」こそが本当の目的なのではないかと思います。

「リンクの濃度」によってニュースフィードをランク付けする事でグラフリフレッシュが成されます。ここに「リンクの意味」をプラスすることが、フェイスブックの目標なのではないでしょうか。

一例として、A子さんとB美さんが、それぞれが「飲食店に行ったときの料理の写真」の投稿にいいね!を互いにつけていたとしています。このとき二人には「料理の写真仲間」という意味を持たせることが可能ですよね。このデータによって、A子さんのニュースフィードにはB美さんの写真アプリケーションからの投稿が優先して出るはずです。また、B美さんのA子さん以外の「料理の写真仲間」が投稿した、いいね!が多く集まっている写真も上位に出やすくなることでしょう。
また、飲食店の情報などもやや上に出るかもしれません。反対に、B美さんの筋トレアプリ等からの投稿は出にくくなるはずです。

リンクに「意味」ができることで、「関連性の濃いコンテンツ」がニュースフィードに出やすくなるということですね。そして、利用者にとって更に使いやすくなるはずです。
これが上手くいけば、フェイスブックが廃れることは当分ないはずです。

そして、リンクメタデータを「関係性への提供情報最適化」に活かすことが最終的な目標なのかもしれません。このフィールドは、フェイスブック本体だけに留まらず、「フェイスブックにアプリケーションを提供する立場」の企業にとってもチャンスであると言えます。
一例として、ダイエット仲間のC夫さんとD太郎さんに向けて、ダイエット情報を提供するアプリケーションを作るなど。

これから先、フェイスブックが先駆けとなったリンクメタデータという分野がどのように発展していくのか楽しみですね。