2004年08月06日
近江商人 考2 :品の如何
近江商人の「商売の十教訓」 其の二
店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何
規模の経済と都市集中型の構造が不協和音を起こしている現代に
おいては、たいへん示唆に富んだ考え方である。
店舗が大きければ、大量の商品を扱ってお客様により多くの選択
肢を与えることができる。立地が良ければ集客は高まり、お客様
により多くの認知機会を与えることができる。
これら二つのものごとは4Pにおける「Placement」と一部「Promotion」
にあたる極めて重要なマーケティング要素ではあるが、この教訓
の伝える意味は、PlaceやPromotionはあくまで商売上の方法論で
あり、お客様に真の満足を提供しリピートしていただき、継続的
な利益を享受するためには、「品の如何」=「Product」が絶えず
その中心である、ということ。そして真読すれば、企業がともす
ればすぐに”方法論”側に足を捕られすぎることに対する警鐘と
捉えることもできよう。
TV業界に”Content is KING”という思想があるが、これも近江
商人の商流における教訓を情報流通に置き換えたものといえる。
業界自体が資本主義の申し子である状態においてもこの”Content
is KING”思想が浸透していることが、TV業界をメディアの盟主
たり続けさせているといえる。彼らは深い部分で、メディアはあく
まで媒体で、KINGの通り道である、ということを理解し、自業界の
強みが”方法論”の部分にあることも自認した上でコンテンツの
コントロール力をなりふり構わず確保することを以って影響力を維
持しているのである。
現在、情報流通の世界においてはネットメディアの勃興と価値観多
様化の中、”規模の強者よりも弱者個々人こそが真のコンテンツた
りうる”という考え方が夢物語ではなくなりつつある。ネットの発
展が情報流通における規模や距離の壁を取り除きつつあるからだ。
そしてこの状況は、eコマースの普及発展によって商流においても
早晩同様のことになるであろう。
ネットワーク社会を迎えた今企業は改めて、”如何にお客様のニー
ズに合ったよりよい品を提供するか”を追求する努力の重要性を認
識するべきである。
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