2005年08月20日
日本の新聞業界は周回遅れに過ぎる
USの新聞社のオンライン市場での成長ぶりと比較して、日本の新聞社が前例主義・懐古主義に拘泥して保守的なビジネス展開に終始している状況に強い危機感を感じる。
新聞社のオンライン収入、大きな伸び -Ad Innovator
2004年に10億ドルを超えた、新聞社のオンライン収入はこれからも大きな伸びを見せると予想されている。ここ1、2年が30%台、その後も20%近い成長が続くという。
既存業界による新興事業領域での市場成長率というのは、その業界がいかにヒューマンリソース・マネーリソースをその事業領域に割いているかを如実に現す鏡のようなものだ。
新聞業界のオンライン事業に対する取り組みとして、わかりやすい事象としてのUSでのニュース・解説コンテンツの有料提供ビジネスとその失策などといったものもあるが、そこにはやってみて始めてわかるビジネスのあり方という側面があるはずだ。やってしまったら業界に波紋を起こす、とか、やっても儲からないし、とかいった思考で新奇性の高い事業をやらないというのは、国のエスタブリッシュメントとして数千億の事業基盤を持つ新聞社たる事業者のとる行動としては思考が浅すぎるのではないか、と感じる。
一般消費者のインターネットに向かう理由のベスト3に必ずエントリーされる「ニュース」という分野の最上のコンテンツホルダーでもある新聞社が、'95年頃から粛々と続けている自社サイトでのニュース配信(広告収入)と自社のニュースリソースをポータル等の事業者へ卸売する(コンテンツの法人販売収入)スタイルからほぼ外に出ることのできていない日本の現状はお世辞にも発展的な状況とはいえないだろう。
おそらく(というか、実態も一部拝見するところだが)日本の新聞社のオンライン事業に割かれているヒューマンリソース・マネーリソースのレベルと量が低位のまま据え置かれていることが現れているということでもあるだろう。
日本の新聞業界の特殊な流通網の発達と全国紙による覇権によって守られてきた今の状況が、インターネットの普及と発展に伴ってビジネスモデルとして成り立たなくなってきていることは各新聞社の経営陣が一番気づいているところだと思う。
日本の新聞社にはもっとオンライン事業に人と金を張って、ビジネスとしてのチャレンジを繰り返していただきたい。例えば記者全員がブログを書いて読者とのコミュニケーションの中で生まれる価値や読者のダイレクトな要求を捉えてみればよい。例えば日々の主要記事を新聞社自らポッドキャストして有料サービスとしてトライしてみればよい。
そういったチャレンジを怠ってどんどんと他国の新聞メディアのオンライン領域における知見・経験に差を開かれていったときに、苦渋を舐めるのは新聞業界だけではなく、その業界に民度を左右されている日本国民全体であるのだ、という認識を持って取り組んでいただきたいものだ。
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