2006年02月28日
Amazon.co.jp急成長3つの理由
Amazon.co.jpは購買者=コンシューマーのロングテールを捉えて長期的な成長力を手にし、楽天は店舗=中小企業のロングテールを捉えて短期的な収益力を手にしていた、という事実が数字に現れ始めました。
Amazon.co.jpが急成長、訪問者数で楽天市場に肉薄--ネットレイティングス調査 -CNET
Amazon.co.jpが初めて1600万人台の訪問者を集め、訪問者数によるドメインランキングでも4位に上昇し、国内において、楽天市場と肩を並べるオンライン・ショッピングサイトに成長した。一方、楽天市場も訪問者数を初めて1800万人台に乗せ、過去最高を記録した。
私もネットレイティングスを定常ウォッチしている中でこのところのAmazon.co.jpの躍進ぶりに舌を巻いていましたが、ついにドメインランキング4位まで上ってきてしまいました。記事内のネットレイティングス萩原社長の言葉に「オンラインショッピングは今後も利用者数の増加が見込める分野」という言葉があるが、おそらくこの勢いは簡単に止まることなく続くことになると思います。
Amazon.co.jpの「集客力」の高さは大きく分けて3つのポイントに支えられています。
1.直営EC No.1ブランド
2.メディアのロングテール
3.購買者のロングテール
1.の直営EC No.1ブランドについては、US本国でのブランド力があったから当然かのように見られている節がありますが、同様にUSの強者として日本市場に参入した事業者であるeBay(日本市場からは一旦撤退)やGoogle(検索クエリ数で未だYahoo!に水を空けられている)と比較したときにその日本でのマーケティングが秀逸であったことを窺わせます。成功の要因は、現地スタッフを中心に日本の商慣行に合わせた物流システムを自前で組み上げて日本の消費者が大好きな「送料無料」を実現したことや、参入当初から日本の大規模サイトとのアフィリエイトベース(露出単価が安い)での大量露出を実現して一般層にリーチしていったことなどにあります。
2.と3.についてはUS本国と同様のポイントになります。
メディアのロングテールについてはAmazonAsociateProgram(アマゾン・アソシエイト)によって、それまで収入源に乏しかった小規模サイト、すなわちロングテール部分のメディアに対してアフィリエイトでの収益を提供して大量のサイトから「Amazon.co.jp」へのリンクを張らせ、購買者誘導を図ると同時に、被リンクの増加によってPageRankを飛躍的に伸ばすことに成功しました。また、近年はAmazonWebService(アマゾン・ウェブサービス)の公開によって社外の開発者にAmazonデータベースを活用したウェブサイトを作る手段を提供し、これらがギーク(先端的ネット技術者)たちの心に火を点けてBuzz(口コミ伝播)によるAmazonの評判向上とギークたちの手によるサービスからの集客・収益を積み上げることを可能にしました。
3.の購買者のロングテールについては、「Amazonの書籍売上の1/3が、オフラインの大規模書店にはない商品によって占められる」という、「ロングテール」という語の解説によく使われる事象です。一般的なオフラインの店舗では2割の売れ筋商品が利益の8割を占める、などの8:2の法則(パレートの法則)がありますが、探索・比較の時間や距離の制限、店頭露出の場所の制限を受けないネットビジネスにおいては、消費者の多様なニーズが丸められることなくそのまま購買に直結する傾向があり、Amazonはそれを見事に捉えるだけの商品点数とSEO(SearchEngineOptimization、検索エンジン最適化)への対応を実現しました。
このほか、Amazonの「販売力」についてはレビューやレイティング、レコメンド、ランキング等のマーケティング手法についても要因となりますが、その点は別途触れることにします。
これら3つのポイントは、いずれも「足の長い」施策です。成果が出るまでには長い投資期間が必要とされ、その投資の回収までキャッシュフローが持続せずに潰えてしまった事業者もネットバブル前後に多く見られました。Amazonはそのドッグレースに勝利して現在の地位をつかんだ、という見方をするのが適切です。
それに対して、これまで日本のオンラインコマースを支えてきた楽天は、ネットバブル期までには大企業のみに許されていたECへの窓口を(当時は)安価(だった)な出店費用と簡易な店舗向け運営インターフェースによって、中小企業のインターネットコマースへの進出に大きく貢献しました。これはその時点での「店舗のロングテール」を捉えた事業展開であり、数年前までは時代背景に合った収益性も高いビジネスモデルでした。しかし、昨年ペーパーボーイ&コーがスタートした個人~小規模店舗向けECパッケージ「Color Me Shop! pro」が登録5万店舗を超えるなどの状況を迎えるに当たり、その勢いは自然と衰え、楽天球団買収を始めとする派手なプロモーションや金融等の事業買収による規模の拡大に存在意義を見出す段階を迎えています。
.comバブルが華やかなりし後に迎えたネットビジネスの消費経済への浸透と同様、現在の華やかなブログバブル・Web2.0バブルの後にはまた、より人々の生活に密着したビジネスに光が当たるタイミングがくるものと予測しますが、そのときに求められるオンラインサービスがどのようなものになるのか。Amazon.co.jpの成長と楽天のコングロマリット化をサンプルに見ながら考えていくことは、一つの方法になると思います。
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10年くらい前、少なくとも、楽天の登場以前は、ネットでものを売るなんて“非常識”だった気がする。... [続きを読む]
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あいあい。どうもどうも。みなさまいかがお過ごしで?? いやいや、みなさま〜。とう... [続きを読む]
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