2006年11月26日
モバイルコンテンツ市場の今後
CNETにも最近モバイルまわりの分析記事が増えてきたので好感。以下、シンクウェアの福永氏のモバイルコンテンツ市場に関する「まだまだモバイルコンテンツは伸びる」という論点の記事なのだが、分析の内容が秀逸な割に帰結している結論がなんとなく違和感を感じさせるものだったので、思ったことをつらつらと書いてみます。
まだまだ「踊り場」ではない--成長の芽を探すモバイルコンテンツの最新事情 - CNET Japan
モバイルコンテンツにおいて、ここ最近の「ヒットコンテンツ」と言えるものは3つに区分できる。
* リッチコンテンツ
* コミュニティコンテンツ
* カスタマイズコンテンツ
この区分の仕方、なるほど納得ですね。今後使わせていただける気がします。なおここではコマース及びリアルローカル(GPS連動など)のことは視野から外していらっしゃるようです。
それがケータイメールの高い開封率を引き起こし、時には通話以上のコミュニケーション手段として確立している。デコメールはそうしたユーザー心理をとらえ、絵文字での表現の次に感情を伝える手段として、10~20代に爆発的に普及した。
10-20代のメールコミュニケーションへの感情挿入欲求を捕らえたデコメが爆発した、ということ。モバイルサービスを考える上で「メール」というものがとにかく基盤になる、というところにも通じると思います。
モバゲータウンも、あのうざいほどのメールメッセージ量がアクティブ率を高めてくれてますね。でも、mixiモバイルであれをやり出したらPC文化のmixiコミュニケーションのプロトコルに慣れたmixiユーザーからは反発を食らってしまう。そこのところを乗り越えてモバイル的プロトコルにシフトしているGREEはPC側で苦しんだ利が出るかもしれませんね。
今後一層PCウェブ側からモバイル側に流入するサービス事業者が増えていくと思いますが、この「メール」というものをどう捉えるかで結果的に獲得できるユーザーのクラスタ(行動・特性)は大きく変わってくるでしょうね。PCメール(スパムで汚された性悪説の空間)をベースにユーザー接点を作るか、ケータイメール(キャリア統制下にある”美しい”管理空間)をベースにユーザー接点を作るか。
これまでのツリー型メニューは検索型メニューに変更され、メニューアクセスに頼ったプロモーション戦略は崩れてしまった。モバイルコンテンツビジネスにおけるモバイルSEO 対策が急浮上したことになる。
まさに。今ユーザーサイドに最も大きな影響があるのはこのモバイル検索オープン化の部分ですね。シンプルに「課金コンテンツピンチ」の構図が作られている、ということと捉えてよいのではないでしょうか。
モバイルコンテンツを投入する企業は、コンテンツの価値だけでなく開発、制作、運用、プロモーションなど統合的な力を持つ企業のみが生き残っていくことは間違いない。
あれ? 突然「モバイルコンテンツ市場はもう大手しか儲からない」というお話になってしまってます。じゃあ「モバイルコンテンツ市場は踊り場です」と言っているようなものです。でも、おそらくこの部分は「課金コンテンツ市場はもう大手しか儲からない」というお話をされているんだと思います。
すなわち、課金コンテンツ市場は成熟化し、これまで「市場」と呼んでいた課金コンテンツ領域は踊り場にあります、と。そして成長の芽は、キャリアポータルに一般サイト検索という道筋ができてしまったことで、「がさつで無料なインターネットな奴ら」が進入してくる一般サイト市場の方にあるね、という話をされているんだと思います。ゴルゴンゾーラとか、今まで一部のやっちゃいけないことやってる連中という扱いだった勢力が堰を切って押し寄せてくる、と。
どこにモバイルコンテンツの伸びる要素があるのだろうか。重要なポイントは、以下の2つの価値だ。 * キャリアソリューションにいち早く対応した斬新性価値 * ユーザーの利用シーンを生み出す利便性価値
そこで出てきた2つのポイントはさすが秀逸です。要は、モバイルで商売しようと思ったらキャリアとユーザーの両方を大事にすべし、と。これは確かにPCウェブの世界(=ひたすらユーザーオリエンテッドで、キャリアもISPもナニソレオイシイノ?扱い)とは異なるルールです。
今後参入者が多くなることでキャリアの開発情報の情報戦が一層激化する、ということでもあるでしょう。携帯キャリアの当該担当者は国内最後の保護市場の利権を否応なく背負わされることになるわけです。みなさん、お縄にならないよう気をつけてください。
真の価値あるモバイルコンテンツは、従量課金との組み合わせや、月額525円の価格帯のサービスを投入するなど、その障壁を崩そうとしている。モバイルコンテンツはこれからが本番。モバイルならではの強みを生かしたコンテンツサービスは、本当に生み出していく土壌ができたといっても過言ではないと考える。
最後の〆に、なぜか例示を課金コンテンツ側のお話に持っていってしまわれたことで文章の説得力が残念なことになっています。業界大手への深謀遠慮でしょうか。ただ最後の最後の『モバイルならではの強みを生かしたコンテンツサービスは、本当に生み出していく土壌ができたといっても過言ではないと考える。』という一文にはとても同意です。「モバイルならではの強み」を活かして、モバイルサービスの業界が大いに盛り上がっていくことが期待されます。
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